私はこの世界の小さいところから歩いていくよ

大学を卒業した結乃(よしの)は、田舎に戻り「ひとをきれいにする仕事」を選んだ。
けれども、お客は思うように来ず、家では化粧嫌いの妹との溝がなかなか埋まらない。
そんなある日、いつもは世間話しかしない女性が真剣な顔で化粧品カウンターを訪れて――
いま注目の著者が、真摯に生きる女の子を描く、ささやかだけど確かな“しあわせ”の物語。

プロフィール

宮下奈都(みやした・なつ)1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、「静かな雨」が文學界新人賞佳作に入選。07年、初の単行本『スコーレNo.4』が話題を呼ぶ。ほか著書に『遠くの声に耳を澄ませて』『よろこびの歌』『太陽のパスタ、豆のスープ』『田舎の紳士服店のモデルの妻』など。瑞々しさと温かさを兼ね備えた文体で、日常の風景を丁寧に掬い取り、真摯に生きる登場人物たちを描く。いま最も注目される作家のひとり。

『メロディ・フェア』宮下奈都 定価:本体1400円(税別) この本を購入する
書店員さんに作品の魅力を聞きました

たとえば口紅を引くだけで「やるぞ!」と元気がでたり。お気に入りの歌がふっと口をついて、やっぱりこの仕事が楽しいんだなと確認できたり。そんな瞬間と同じように、結乃の姿は私達を励ましてくれる。宮下さんの小説を読むと、いつも新しい空気で胸が満たされるのを感じます。
紀伊國屋書店 新宿本店 今井麻夕美さん

私も結乃さんに化粧品を選んで欲しいです。もちろん、デパートなんかじゃなく、私の日常が見えてしまいそうなショッピングモールの化粧品コーナーで。ちょっとねじれてしまった心が真っ直ぐになりそうです。
文教堂書店 浜松町店 大浪由華子さん

私たちの世代であれば、タイトルを聞いただけで何か胸の奥にこみ上げてくるものがある『メロディ・フェア』という曲を上手く小道具として使いながら、主人公・結乃の心の揺れ動くさま、そして彼女を取り巻く女性たち(母や妹や同僚やかつての同級生など)の心の動きを著者ならではの視点で見事に描き出した秀作だと思います。宮下さんの作品にはいつも生き生きとした【日常】があります。
勝木書店 店舗統轄部 海東正晴さん

接客業をしていると人間嫌いになりそうな瞬間が時々ありますが、『メロディ・フェア』を読んで、様々な個性を持つ人々と接するのは素敵な仕事なのだな、と感じられました。宮下奈都さんの描く真っ直ぐなヒロインにはいつも元気をもらっています。少し疲れ気味の働く女性たちに是非読んでいただきたい作品です。
有隣堂 アトレ恵比寿店 加藤泉さん

結乃がカウンターに立ち寄るお客様を精一杯自分なりに綺麗にしてあげたいと思う気持ちが清々しくて、読んでいて自分も初心にかえれたような気がしました。働き始めたばかりの方には応援歌のような物語であり、ずっと働いている方には自分が働き始めた頃の不安で、でもワクワクしていたあの時の気持ちを思い出させてくれる小説です。
ブックファースト 阪急西宮ガーデンズ店 岸田安見さん

みんな、もっときれいになれる。もっと、自分らしくなれる。メイクとか自分には縁遠い話題なので、色々新鮮で面白かった。口紅をつい本に置き換えて読んでしまうのはお約束。女性向けっぽい印象を受ける作品ですが、男性も是非!
七五書店 熊谷隆章さん

自身も書店の販売員として共感できる部分があり、主人公の仕事に対する想いはとても励みになりました。宮下さんの作品には、そっと背中を押してもらえる。化粧品の販売員が主人公ですが、男性にも手に取ってもらいたい作品です。
三省堂書店 有楽町店 杉山学さん

主人公の仕事に誇りを持って働く姿に、私も誰かの幸せや喜びを作る仕事をしたい、そう強く思いました。忙しくて時に忘れそうになるその気持ちを思い出させてくれてありがとうございます!
啓文堂書店 多摩センター店 西ヶ谷由佳さん

お化粧って本当は自分を優しく包み込んでくれる温かな布団であり、自分が自分らしくあるためのもう一つの素顔みたいなものなのかも知れない。もし結乃にお化粧してもらえたらきっと思うはず、「やっぱり私は私だ、そして私は私が一番好き!」と。 読んでいる途中から心のなかからワクワクが溢れ出してきて、なんとも言えない気持ちよさでした。
精文館書店 中島新町店 久田かおりさん

頭も体もこころも、そっとやわらかくマッサージされてるよう。故郷の方言が可愛らしくて、思わずニコニコ。楽しいことや嬉しいことばかりではないけれど、間違いやすいけど、気づきにくいけど、大切なものに包まれた私たちの日々。愛おしくなります。
紀伊國屋書店 北千住マルイ店 平野千恵子さん

宮下さんの描く、まっすぐでキラキラ輝いている等身大の女性が大好きです。今作の主人公、結乃もその一人。仕事や家族、友人との関係に迷いながらも真正面から向き合う姿に、誰もがパワーをもらえる作品です。
朗月堂書店 本店 藤井郁さん

働き盛りの女性たち、いや、仕事をしている人はみな必読。どんな仕事でも悩んだり落ち込むことがあるけれど、この仕事をやってて良かった、と思える瞬間が必ずあることを教えてくれる小説だ。あの「メロディ・フェア」の懐かしく甘酸っぱい音楽とともに、明日への活力が得られることを保証したい。
啓文社 福屋ブックセンター 三島政幸さん

結乃はそれを美しいと感じ、珠美は悪しきものと感じただけの差なのに。化粧は魔法。誰でも簡単にかける事も解く事も出来る。ただし、心の中に否定する気持ちが強すぎると美しくはなれない。なんて儚くも強い魔法なんだろう。
旭屋書店 名古屋ラシック店 山崎蓮代さん

口紅を塗ることで世界が変わってみえる。それはきっと女性が感じることができる、とても尊いしあわせなんだなって思いました。なんてことのない日常に色をつける「宮下さんマジック」にじんわりあったかい気持ちになりました。
紀伊國屋書店 福井店 山村友理さん