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『海獣の子供』と木地雅映子の小説には大きな共通点がある。
それは「普通」ではない、規格外の少年少女たちの物語であることだ。
人間が小ざかしい知恵をもってしてここ数十年で作り出した社会や空気に
背を向けて、世界の本質に真摯に向き合いたい――。ふたりの作品には
そんな願いが共有されているように思える。
木地雅映子は帰ってきた。ただ生き延びただけでなく、
『悦楽の園』という新作と共に。その本を手に取った私は
ひどく緊張してしまった。読むのが怖いような気持ちだった。
大丈夫か。世界と「普通」に和解してないだろうな。
結論から云うと、『悦楽の園』は傑作だった。
『氷の海のガレオン』において哲学的な命題にも見えた
主人公の苦しみを、より現実的な問題として捉え直すことで、
前人未踏の「次のステップ」を踏み出せたのだと思う。
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