第二夜
『凶笑面』
北森鴻



半身浴におすすめ! のぼせるヒマも与えない、
天才民俗学者の冴えわたる名推理


 "統計137度30分 北緯34度40分の付近の海上に南北5キロm 東西1キロメートルほど
の小島を仮定する。80名ほどのA集落と70名ほどのB集落に民俗調査を試みたところ、こ
の島には渡来神伝説および浦島伝説の類が一切ないことが判明した。この点につき、可能
な限りの仮説をあげよ"
 というのが異端の民俗学者、蓮丈那智が学生に出した試験です。
 できる?
 考えてみればそーだよね〜〜。
 民俗学なんてさ、謎と謎解きの宝庫だ!
 いいところに目をつけたな〜ですが、その分むっちゃ難しくない? でもありますね。
 民俗学的な謎(たとえば、この鬼の面は何を意味しているのか、とか)とミステリ的な
謎(殺人事件の犯人探しなど)のふたつをジョイントさせた謎のプロットを、この天才民
俗学者、蓮丈那智の名推理が、鋭利な刃物のようにスパッと断ち切ってみせる、実に爽快
なミステリですが、お風呂の湯気でのぼせた頭にはちょっときついかも〜。
 でも美貌で冷徹、タンカレーのジンを水のように飲み干すこのエキセントリックな名探
偵は、まさしくホームズの正統な末裔です。 
 今日はぬるめのお湯で、ゆっくりゆったり長く入りたいわ〜〜、という時には是非!
蓮丈那智をお供に。
 『触神仏』という続編もあります!
 最高!






◆探偵プロファイル NO.2

蓮丈那智
本  名   蓮丈那智(れんじょう・なち)
活動地域   助教授をつとめる東敬大学と、フィールドワークに赴く日本全国。
特  徴   仮説を育む想像力とそれを補強するフィールドワークを重んじる研究方法や、中世的な美貌から「異端の民俗学者」と呼ばれる。頭脳明晰でアカデミックな姉御肌。元教え子の助手・内藤三國をしたがえ、調査の過程でふりかかる難問に挑む。


Ms.Nachi Renjo


◆今回取り上げた本

蓮杖那智フィールドファイル1 凶笑面』
北森鴻 著
新潮文庫
2003年2月1日初版




赤木かん子(あかぎ・かんこ)

児童文学評論家。長野県松本市生まれ、千葉育ち。法政大学英文学科卒。1984年に、子どもの頃に読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリの紹介・書評などで活躍。

オフィシャルウェブサイト
http://www.akagikanko.jp/
 
第三回 2009年11月19日
第二回 2009年11月5日
第一回 2009年10月23日
イラスト提供:ふわふわ。り


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