2013年09月号

現場発!  ピュアフル通信

担当編集者による、新刊“青春小説”紹介

by ポプラ文庫ピュアフル編集部

書影

「かぐや姫」の物語がこんな風に読めるとは。
大胆な解釈で清々しいファンタジー!

安澄加奈『いまはむかし 竹取異聞』

定価:本体640円(税別)

二人の少年たちが森の中を駆け抜け、追手を撒くシーンで、物語は始まります。一人はアキ。一人はキヨ。ある理由のために、二人だけで旅を続けている彼らは、かぐや姫を守る「月守」です。婿となった者に富をもたらすといわれるかぐや姫。そのため姫が住む竹取の里は、たびたび欲深い権力者に襲われ、ついに防ぎきれず焼き討ちされた中を、二人は逃れてきたのです。彼らを追うのは誰か。そして旅の目的は──?
この物語の大きな魅力は、きっぱりと強いかぐや姫の姿。争いを引き起こしてしまう特異な力を持つことを受け入れられない彼女は、自分に定められた「かぐや」の運命を白紙にすることを望みます。それがかなうまで、彼女は身なりを少年に変え、秘めた想いを封印するのです。──とすると、さて、月守の「少年」たちの正体とは?
有名な昔話「竹取物語」を自由に解釈した瑞々しい物語。興奮と感動のストーリーを、たっぷりお楽しみください。

(編集・門)


書影

ついに完結!
わたしたち卒業します!!

折原みと『乙女の翼』

定価:本体640円(税別)

AKBでも次々と人気アイドルが卒業していきますが、“乙女の学び舎”の主人公たちもついに卒業の時を迎えます!
舞台は、古都・鎌倉にある、“選ばれた者”だけが通えるといわれる全寮制高校「桜の宮女学院」。ここはとんでもなく個性的で浮世離れした名家の令嬢ばかりが集う、一風変わった女子校なのです。そんな不思議な学び舎に通う主人公の風子は、宿敵も親友も得て、最上級生に進級するのですが、シリーズ完結巻の今作で、最大の試練にぶつかります。それは死の淵をさまよう想い人のこと。大切な人がいなくなってしまうかもしれない――という、どうすることもできない不安に押しつぶされそうになる風子。けれど初夏の花が咲く『秘密の花園』で出会った、臨時講師の有島蒼平によって少しずつ元気を取り戻していきます。彼の存在が、彼女を希望に導いていくのですが、物語は一筋縄ではいきません! 彼は一体、何者なのか!? どうぞお楽しみください!

(編集・泉)


書影

妖しさとうつくしさを湛えた
万華鏡のような幻想ミステリー

倉数茂『魔術師たちの秋』

定価:本体620円(税別)

祖父のもとで夏休みを過ごすことになった滴原兄妹が巻き込まれる不可思議な事件を描いた『黒揚羽の夏』。デビュー作ながら、本の雑誌社『おすすめ文庫王国2012』国内ミステリー部門第8位に選ばれたり、特番で映像化されるなど、話題を呼びました。その三年後を描いた待望の続編が、満を持して登場です。
舞台は前作と同じく、東北の片田舎・七重町。父親の工場が倒産し、その鬱屈から先生を殴って高校を停学になった中井ケンジは、廃屋で謎めいた少年ツキオと出会い、奇妙な事件に巻き込まれます。一方、三年ぶりに七重を訪れた滴原千秋は、住民の睡眠調査を行うNPO団体にまつわる不穏な噂――調査結果が悪かった者は、“道場”に送り込まれる――を耳にします。
土着的な因縁が引き起こす事件の謎解きを縦軸に、それぞれに悩みを抱える多感な少年たちの葛藤と成長を横軸に進む物語。過去と現在、夢と現が溶け合い融合しながら、さながら万華鏡のように多面的な光を放つクライマックスまで、じっくりとご堪能ください。

(編集・原)


書影

大好評のほのぼの図書館ミステリー
待望の第2弾が早くも登場!

緑川聖司『晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物語』

定価:本体620円(税別)

7月に刊行されるやいなや、大反響を呼んでいる『晴れた日は図書館へいこう』。謎解きも面白さもますますパワーアップしたシリーズ第2巻がお目見えです! 今回も、館内にこっそり置かれつづけるドッグフードの缶詰の謎に、クリ スマスツリーから消えてしまった雪の行方の捜索、半世紀前に呼んだきりの題名がわからない本を探してほしいという依頼――etc.さまざまな難問に、図書館が大好きな少女・しおりが、いとこで司書の美弥子さんや、クラスメイトたちと立ち向かいます。さらに書き下ろし短編「九冊は多すぎる」を収録。ある男性の不可解な言動をらんぷ亭に集った面々が推理していく――という流れにこのタイトル、ミステリファンならニヤリとしてしまうかもしれませんね(ピンとこなかった方は、ハリイ・ケメルマン著「九マイルは遠すぎる」をあわせてどうぞ!)巻末解説は、大学時代に同じミステリー研究会で切磋琢磨しあった間柄だという作家の光原百合さん。デビュー前のおふたりのやり取りが垣間見られるという、ちょっとお得な解説でもあります。最後の最後までミステリーの楽しみがぎゅっと詰まった一冊、ご堪能ください。

(編集・原)


ポプラ文庫ピュアフル11月の新刊

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