ワインの名前が、お・ぼ・え・ら・れ・ま・せ・ん!
これが、老若男女、ちょっとワインでも学んでみようかなぁ、と考えている人たちに共通する最初の嘆きです。英語ならまだしも、慣れないフランス語やドイツ語、イタリア語などが多いワイン名にため息は深くなるばかり。ワインの勉強が仕事や趣味でないかぎり、こんな面倒なことをしてまでワインを飲みたくない、旨いワインだけを飲ませてくれ、というのが人情でしょう。しかし、こんなふうに思うのは、なにも日本人だけではありません。国籍問わず、ワインが気になる人たちの悩みはみな同じ。もちろん、フランス人もそう。フランスワイン公社(ONIVIN)の市場調査によれば、フランス人の7~8割(女性76%、男性69%)が「ワインは選ぶのがむずかしい」と考えています
(*1) 。確かに、いきなり「シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ラランド」(ボルドー格付第2級)と言われてもって感じですよね。
そこで、救世主になるのがヴァラエタル・ワイン。
原料の単一ブドウ品種をラベルに記したワインです
(*2) 。なかでも、おすすめなのが世界品種のヴァラエタル・ワイン。
世界品種というのは、フランスが誇る高級ワインに使われる伝統品種で、世界的に人気のある品種のことです。世界一有名なワイン「ロマネ・コンティ」を生むピノ・ノワールや、辛口白ワインの王者「モンラッシェ」のシャルドネ、ワインの女王と称されるボルドー赤ワインの主要品種、カベルネ・ソーヴィニョンやメルローなどがその筆頭グループです。
1970年代、フランスというワインリーダー国の有名品種を使い、カリフォルニア農業大学のデイヴィス校の研究とテクノロジーを駆使して、高品質のヴァラエタル・ワインを世に送り出したのがアメリカです。そこに、オーストラリアやニュージーランド、チリ、アルゼンチンなどのワイン新興国も参入し、80年代後半、旧弊なワイン世界に風穴を開け、新しい潮流となりました。
それまで、旧世界を代表するフランスでは、ブドウの育った土地の名前が中心で、アルザス地方などの一部の例外を除いて、ラベルには品種表示がされていませんでした。ワインの世界は産地が命(フランスの地理学者の地位が日本にくらべ非常に高いのも頷けます)。生産地域を見るだけで、使用品種がわかり、そのワインの味わいを想像できるワイン通か、あるいは業界のインナーサークルの人たちのためのものだったからです。一般の消費者にとってワインは、ある種アカデミックでスノッブな遠い存在でした。
ひと昔前、白ワインと言えば「シャブリ」でしたが、その名前よりも、使用品種の「シャルドネ」のほうが今やビッグネームになってしまいました。「シャルドネ」がワインの名前だと思っている人もいるくらいです。ヴァラエタル・ワインは、ワイン産業に多大な貢献を果たしたと言えるでしょう。イギリスの著名なワイン評論家、ジャンシス・ロビンソン女史は、「品種主義」の時代を歓迎するかのように、1986年出版の著書『ワイン用葡萄ガイド』
(*3)の中で、「ワインの特徴は、産地の地質や悪天候、醸造家の才能以上に、ワインの成分となるブドウ品種によって決まる」と述べています。
ブドウ品種は、1万種類以上あると言われていますが、現在、商業ワイン用に栽培されているブドウは約300種。そのほとんどが、ヨーロッパ種(学名:ヴィティス・ヴィニフェラ)(*4)です。そのうち、ワイン市場で重要と考えられているものは、40種くらい。でも、日本のワインショップならどこでも見られる品種の名前となると十指に足らないでしょう。ここでは、せめて石油界のセブン・シスターズならぬブドウ品種のセブン・ヴァラエティーズを覚えてみてはいかがでしょうか。まずは、自分の好みの味を見つけることが大切です。
ちなみに、世界市場を目指す山梨産ワイン「甲州」は、日本の伝統品種で造られるヴァラエタル・ワインです。ディヴィス校のDNA鑑定によれば、「甲州」ブドウは、ワインに適すヨーロッパ種、ヴィティス・ヴィニフェラ95%で構成された交配種だそうです。つまり、1000年近く時をかけて、中近東からシルクロードを通って日本に渡り、さまざまな交配を繰り返しながら日本の風土に適応したブドウというわけです。
世界七大品種
①シャルドネChardonnay(白)、②ソーヴィニョン・ブランSauvignon Blanc(白)③リースリングRiesling(白)、④カベルネ・ソーヴィニョンCabernet Sauvignon(赤)、⑤ピノ・ノワールPinot Noir(赤)、⑥メルローMerlot(赤)、⑦シラーSyrah(赤)
さて今回は、ブルゴーニュ地方の偉大な白ワインを生む世界品種、シャルドネを見ていきましょう。
シャルドネは辛口白ワイン用のブドウ品種としては、世界一の人気を誇ります。もともとは、ブルゴーニュ地方の石灰・石灰粘土質土壌で栽培されていた高貴品種でしたが、1980年代後半以降、ヴァラエタル・ワインの流行とともに世界に広がりました。1988年、カリフォルニアのほうがフランスよりもシャルドネの栽培面積が大きくなり、現在でもその面積は、カリフォルニアで他の品種をおさえてトップです
(*5)。
では、シャルドネの特徴とは何でしょう? 無個性とも言われますが、それは高次元の柔軟性を備えているためです。受容能力が高く、造り手の個性を最大限に発揮することができる品種なのです。例えば、シャルドネ栽培の北限、シャブリの地で、ワイン造りに樽を使わずステンレスタンクを使えば、シャープで背筋のまっすぐなミネラル感たっぷりのワインになり、高級ブルゴーニュのように熟成に新樽(228L小樽)を使えばふくよかでリッチな味わいになります。どんな白ワインでもそうじゃないか、と思われるかもしれませんが、どんなヴィンテージでも、どんなタイプに造っても、熟成期間の長短にかかわらず、そんなに大きく外さないところがシャルドネの偉大なところです。もちろん、収量が100hl/haもある場合は、薄っぺらになりはしますが。
また、シャルドネはオーク樽との相性が抜群で、ジャンシス・ロビンソン女史に「シャルドネとオークはお互いのために生まれてきたようなもの」と言わしめるほどです
(*6)。シャルドネの生みだすバランスのよさ、ボリューム感のあるたっぷりとしたコクが、パイ生地のように樽からの風味をうまく包みこむのではないでしょうか。
樽には、大きな3つの効果があります。
1つ目は、ご存知、樽香。現代の科学技術でずいぶん解明が進みましたので、下記のリストをご覧下さい。
① バニラ(←バニリン):オーク材に大量に含まれるバニリンが変化。
② スモーク&スパイス(←4-メチルグアヤコール):オーク材のリグニンが「トースト(焼き)」により生じる。
③ 丁子(←オイゲノール):「乾燥(シーズニング)」とトーストの過程で生じる木材由来の主要な揮発性フェノール。
④ キャラメル、バタースコッチ、炒りアーモンド(←フルフラール/5-メチルフルフラール):木材に含まれる炭水化物や糖がトーストにより熱分解されて生じる。
⑤ ココナッツ、土臭さ、ハーブ(←シス型オークラクトン):樽の乾燥により生じる。トーストすることで、全体の濃度が下がる。
⑥ ココナッツ、スパイス(←トランス型オークラクトン):同上
(参考:ジェイミー・グッド『ワインの科学』梶山あゆみ訳、河出書房新社、2008年)
いかがですか? 「樽香」には、私たちの好きな風味がたくさんありますね。
まさに現代人の好みにぴったり。でも、90年代頃から樽香が過剰になり、今世紀に入ってからはやや控え目になってきました。何事も中庸が肝心です。
また、樽の成分はワインの香りだけに影響を及ぼすわけではありません。樽由来のタンニンは、ワインに味と食感を与えます。
それが二つ目、樽タンニン(エラジタンニン)です。
樽の成形過程で、樽板の内側を火で炙って板を曲げますが、そのとき、樽にさまざまな度合いで「焼き」を入れることをトーストと言います。トーストのレベルが強いとタンニンは含有量が低下します。ボルドーの高級シャトーは、一般的に「ミディアム+」が多いようです。この焼き具合は、ワインに甘味やまろやかさ、クリーミーさ(バタースコッチ)を与えるレシピです。
三つ目は熟成促進。
これは樽の成分の化学的側面というより、物理的な側面です。熟成中のワインにほんのわずかずつ酸素を与えます。標準的な樽(225L)にワインを入れておくと、1リットルにつき年間約20~40mgの微量な酸素が溶けこみます。このとき、タンニンとアントシアニンの反応により色が濃くなり、熟成とともにタンニンが重合して沈殿するため、ワインが柔らかくなります。
つまり、樽はワインに心地よい風味と柔らかさを与え、タンニンのざらつきをなくし、色を濃くする効果があるのです。
考えてみれば、戦後、セメントやステンレスタンクが出現するまで、ワイン造りに樽は必須でした。もちろん、ほとんどのワインは古い樽で十分で、熟成に新樽を使うのは、ボルドーの超高級シャトーぐらいのものでした。高価な新樽は、樽香もしっかりとつきますが、その成分や効果を受けとめるだけの器量がワインに必要で、早飲みタイプの軽いワインにはほとんど意味がありません。かえって、アンバランスを招くだけです。また、ワインそのものの自然な味を求める造り手にとっても邪魔でしょう。新樽100%は、しっかりと構築されたフルボディのワインでなければ、ワインが消化不良をおこしてしまいます。
しかし、新樽の高級イメージはいまだ健在。ついに、EUは、2009年8月よりオークチップの使用を容認しました。オークの効用で新世界の安価なワインに対抗しようという目論見です。オークチップというのは、オーク片を集めたもので、ワインに接触させて簡便に木の香りを付けることができるオークの「だしパック」のようなものです。古典派の王道フランスでは賛否両論ありますが、ブルゴーニュ地方は反対しています。
最後に、世界の樽の産地は3つに大別できます。フランス、スロベニアをはじめとする東欧、アメリカです。フランス産のものが木目が詰まっていて、ワイン用としては一番優良と言われていますが、製造元によってはスロベニア産も遜色はないと言う生産者もいます。ただ、アメリカ産のホワイトオークは、外気での長期「乾燥(シーズニング)」をせず乾燥炉で人工的に乾燥させるため、ラクトンの含有量が多く、バニラとココナッツの香りが目立ち、フランス派の生産者からは敬遠されます。フレンチオークにも色々ありますが、フランスの中央に点在するオークの森、アリエ、トロンセ、ヌヴェールが3大ブランドです。世界進出を目指すワイナリーは、輸出業者に渡すテクニカル・シートにたいてい、樽はフレンチオーク使用とかアリエ産、トロンセ産のフレンチオーク使用と記してきます。
さて、前置きが長くなりましたが、用意したシャルドネ3種。
ニュージーランド、イタリア、フランスのシャルドネは、それぞれの国や造り(樽の有無)の特徴を出しているでしょうか? 授業では、樽の味をよく理解してもらうために、フランスの古樽を使って6ヶ月熟成させた純米大吟醸「満寿泉1998」を味見してもらっています。
1番のニュージーランドのシャルドネ(マールボロ地区)は、フランスの高級ワイン産地と緯度が近く、非常にフランス的なワインができます。さらに、セレシン・エステートは自然に沿った造りをしているので、樽香はあまり効かせず、優しい味わいになっています。これをフランスと間違えてもおかしくはありません。ただし、「自然派」=フランスと思うのはいけません。今や、ニューワールドでも自然派が少しずつ増えていますよ。確かに、フランスほど厳密でないかもしれませんが……。Yさんが、アメリカと答えたのは、きっとオーナーのマイケル・セレシン監督の明るくさわやかな外見に引っ張られたのではないでしょうか。
2番の北イタリアのシャルドネ(フリウーリ・イゾンツォ村)は、樽を使わずに造ったピュアなシャルドネです。ワインの脚に着目したのは素晴らしいですね、三浦さん。アルコール度や糖度が高いと出現します。そこからカトリック国までは正解だったのですが、スペインに行ってしまいましたか。Nさんはアメリカへ……。確かに、シャルドネに樽を使っていない温暖な国を探すのは難しいですが、アメリカだともっとトロピカルな香りがしますよ、きっと。それから、長期樽熟が伝統のスペインにおいて、樽をまったく使わないで、シャルドネで高級ヴァラエタル・ワインを造るワイナリーは少なそうですね。いずれにしても、最後に来る「心地よい苦味」はイタリアの特徴と言ってもいいかもしれません。イタリアによく行かれるYさんにはちょっと簡単すぎましたか。幻視能力のあるKさん、オリーブが見えたとはお見事。
3番はフランスのシャルドネ(ブルゴーニュ)です。村の名家であり、伝統ある造り手のラフォン伯爵家では、高級感のある樽香は欠かせません。この中では、他の2本のシャルドネにほとんど樽香がないため、やはり目立ってしまいましたね。どれどれ、やはりアメリカに引っかかりましたか。これは、先に何を飲んだかで味覚が影響を受けるという典型的な問題でした。樽からくる濃厚な香りに気をとられてはいけません。優しい花蜜のような香りとエレガントな味わい、とコメントしたことを思いだしてください。Yさんが、「意地悪そうな味」に感じたのは、おそらくヴォリューム感があまりなく、酸味とミネラルが合体した硬さを感じたためではないでしょうか? ヴォリューム感を「笑顔」、硬さを「冷たさ」と翻訳できます。
シャルドネは、さまざまな土地で、さまざまな造り方をされています。ぜひいろいろ飲み比べて、「お気に入り」を探しだしてください。ワインの場合、ひとりで何種類も飲むのは経済的、肉体的にむずかしいので、仲間内で集まるのがおすすめです。
(*1)「女性とワインの将来」WANDS, 2004.12月号
(*2) 単一品種とは、100%が基本だが、アメリカ、チリ、南アフリカは75% 以上、オーストラリアは85%以上ならヴァラエタル・ワインを名乗れる。
(*3)Jancis Robinson,Vines, Grapes and Wines, Mitchell Beazley Publishers, 1986. 邦訳『ワイン用葡萄ガイド』の版元はウォンズパブリシングリミテッド。
(*4)ブドウ品種はヨーロッパ系品種とアメリカ系品種に大別される。アメリカ種(学名:ヴィティス・ラブルスカ)には、コンコードやデラウエア、ナイヤガラ、キャンベルなどがあり、主にジュースや生食用に栽培される。また、台木用として、フィロキセラ害虫に強いアメリカ種のヴィティス・ルペストリス、ヴィティス・リパリアなどがある。ワイン用に栽培されるほとんどは、ヨーロッパ種で、コーカサス地方(現在のグルジア共和国)が原産。
(*5) 2004年39,000ha(過去5年で-6%)「カリフォルニア・ワインインスティチュート」HP
(*6)『ワインの飲み方、選び方―ジャンシス・ロビンソンのワイン入門』島田清治訳、新潮社、1998年。
今回のテイスティング・ワイン・データ
1. Momo Chardonnay 2008 Seresin Estate Marlborough
モモ シャルドネ 2008 セレシン・エステート マールボロ
産地:ニュージーランド マールボロ地方
品種:シャルドネ100%
辛口白ワイン(13%)
参考価格 :2423円
1992年に設立されたセレシン・エステートは、マールボロ地区で最初に有機ワインを生んだワイナリー。初ヴィンテージは1996年。オーナーのマイケル・セレシンは、映画『アンジェラの灰』(1999)、『ハリー・ポッターⅢ』(2004)などの撮影監督を担当。長い間描き続けたワイン造りの夢を母国で実現。ワイナリー・ロゴの手形は、太古からあるハンドクラフトの精神性を示す。現在は、生物の潜在力を引き出す「ビオディナミ」農法を実践。ワイナリーでは、オリーブの木を植え、鶏、羊、ハーブを育てている。2002年、自社畑はBio-Grow認証(*1)を獲得。モモ・シリーズは、ファースト・ラベルのセレシン・シリーズの普及版。自社畑と契約栽培農家のブドウを使用するため、有機認定はないが、極力自然に沿ったワイン造りをおこなう。自然酵母使用。土壌は、砂と粘土の中間のシルト質土壌と小石の多い沖積土壌。モモ・シャルドネは、2008年が新リリース。フレンチ・バリック熟成4ヶ月、新樽比率5%。
色は薄黄色。青いハーブのような香りと、グレープフルーツやシトロンなどの柑橘系果物に加え、マンゴーや夕張メロン、白桃、オレンジマーマレードなどのみずみずしい香りが楽しい。若々しくフレッシュだが優しい口当たり。少し感じる塩気が食欲をそそる。
2. Ciampagnis Vieris Chardonnay 2007 Vie di Romans
Friuri Isonzo D.O.C
チャンパニス・ヴィエリス・シャルドネ 2007
ヴィエ・ディ・ロマンス元詰め フリウーリ・イゾンツォD.O.C
産地:(伊)フリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア州
フリウーリ・イゾンツォ村(*2)
品種:シャルドネ100%
辛口白ワイン(14%)
参考価格 :4410円
北イタリア白ワイン造りの巨匠、ジャンフランコ・ガッロのシャルドネ。1927年、祖父がワイン造りを始め、1978年から参加した三代目のジャンフランコは、探究心と情熱をもって改革を進め、同年ワイナリー元詰めの自社ブランドワインをたちあげる。また、1990年、ワインはテロワールの最高の表現と考え、単一畑でのワイン造りをはじめた。「ヴィエ・ディ・ロマンス(ローマ人の道)」というワイナリー名は、それまでの「ガッロ」という名称が、世界最大の家族経営ワイナリー、米国ガロ社(1933年設立)と同じスペリングという理由で、変更を余儀なくされた新社名(1986年)。白ワインは、最低2年間経ったものでないと出荷しない。このシャルドネは、ステンレスタンクで13~22日間発酵後、マロラクティック発酵。ステンレスタンク7ヶ月間のシュール・リ(*3)後、瓶熟10ヶ月以上。ブドウ栽培面積40ha、年間生産量約20万本。
色は黄金がかった黄色。柑橘系果物に白い花や花蜜、甘露飴のような甘く優しい繊細な香りがある。味わいはピュアなのにエキス分たっぷりでコクがあり、いきいきとした酸が背骨を作っているイメージ。長い余韻のなかにふわりと甘苦味を感じる。
3. Mâcon-Milly-Lamartine 2006
Les Héritiers du Comte Lafon AC Macon
マコン・ミリー・ラマルティーヌ2006
レ・ゼリティエ・デュ・コント・ラフォン ACマコン
産地:(仏)ブルゴーニュ地方 マコネ地区
品種:シャルドネ 100%
辛口白ワイン(13%)
参考価格 :3780円
ブルゴーニュ地方ボージョレ地区の北にあるワイン産地。コシュ・デュリと並ぶムルソーの巨匠、ラフォン伯爵家が、1999年にラフォン・スタイルをもっと多くの人に届けたいと新設したワイナリー。運営しているのは、現当主のドミニク・ラフォン伯爵。一時期、一族が畑を売却しようとしたが、ドミニクの父ルネが阻止し、1967年よりパリから越してきてワイン造りに専念した。1984年、ドミニクがワイナリーを継承し、1987年より、大半がメタヤージュ(*4)だった畑の契約を徐々に解除して、1993年より13.8haが完全に自社畑となった。レ・ゼリティエには、本家が造るワインの「子供」という意味があるように、ここでも本家と同じようにビオディナミ(1995年開始)でブドウ栽培をする。
黄金がかった黄色。白い花やアカシアの蜂蜜のような優しい香りにスモーキーな香りが交差する。ジューシーでまろやか。きれいな酸とミネラルがありバランスがいい。濃厚ながらもエレガント。余韻も長い。
4. Masuizumi 純米大吟醸 1998 Domaine Ramonet barrels
Masuda Sake Winery Higashiiwase
満寿泉 純米大吟醸 ドメーヌ・ラモネの古樽熟成 枡田酒造 東岩瀬
産地:日本 富山県 東岩瀬町
品種:山田錦(?)
日本酒(16.5%)
参考価格 :3950円
世界的に著名なブルゴーニュの名門ワイナリー、ドメーヌ・ラモネの使用したオーク樽で半年間熟成させた後、瓶熟成させた日本酒。樽熟成中に水分が蒸発し(一升瓶2本分)、濃度が高まり、オーク樽特有の華やかな香りが日本酒に溶け込む。採算度外視で造った、香りはワインなのに喉越しが日本酒という個性的なsake。杜氏は、三盃幸一氏で能登杜氏四天王のひとり。古酒ブームの仕掛け人、達磨正宗(岐阜県)の白木社長のアイデアで、鈴木義信の協力によって生まれた。純米大吟醸とは、精米歩合50%以下の米、米麹、水のみを原料として製造され、固有の香味(吟醸香)があるもの。
註:
(*1)1983年、ニュージーランドの生産者と消費者により支援されているオーガニック農産物を認定する第三者機関。世界のオーガニック認証団体IFOAM(本部ドイツ)の加入している機関なので、海外においてもオーガニック製品として正式に販売することができる。
(*2)イタリア北東端、北はアルプスを隔ててオーストリアと、東はスロベニアと国境を接し、南はアドリア海に臨む。州都はトリエステ。イゾンツォ渓谷は、アドリア海からの湿った温暖な風とアルプス山脈からの乾燥した冷たい風の両方を受け、地中海性気候と大陸性気候の中間の気候。ヴィエ・ディ・ロマンスの畑は、イゾンツォ川の北側に広がる。
(*3)アルコール発酵後、酵母の澱引きをしないでおこなう熟成法。死んだ酵母からアミノ酸などの旨味成分を抽出できるため、ワインに特有の厚みと複雑さが加わる。シュール・リSur Lieとは、フランス語で「澱の上で」という意味。
(*4)収穫の半分を地主に支払う折半小作制度のこと。
■ニュージーランド:
19世紀にワインの歴史は始まるが、本格的に生産されるようになるのは1960年代から。当初は、甘口ワインがほとんどだったが、1980年代には、マールボロ地区でソーヴィニョン・ブランが生産され、世界で高く評価される。歴史が浅いぶんワイン造りに自由度が高く、1990年代には、近代技術の導入で躍進を遂げた。1996年、原産地統制呼称CO (Certified Origin)制定。
ニュージーランドは、北島と南島の2つの島に分かれており、北島にあるホークス・ベイ地区は、商業的なワイン生産が最初にはじまった場所で、カベルネ・ソーヴィニョンやメルローを使ったボルドー・スタイルの赤ワインが有名。南島は、冷涼な海洋性気候(年間降雨量740ミリ、夏でも日中の最高気温が24℃を超えることはほとんどなく、昼夜の気温差が大きい)ながら日照時間はニュージーランド随一で、ニュージーランドを世界的に有名にしたソーヴィニョン・ブランが生産されたのも南島北端にあるマールボロ地区。
ブドウ栽培面積は、31,000ha(2009年)。1998年、7580haだったことを考えると、ほぼ10年間で4倍も拡大したことになる。また、栽培が難しいピノ・ノワールも最近は評価が高く、マールボロやセントラル・オタゴが主要生産地になっている。南半球にあるため、ブドウの収穫は北半球よりも半年ほど早くなり、収穫は2月上旬から5月中旬まで続く。
ニュージーランド・ワインのラベル表示:
①ヴァラエタル・ワイン(ブドウ品種名表示ワイン)
・産地名(同一地域内で収穫されたブドウ85%以上使用)
・品種名(85%以上同一品種のブドウを使用。複数のブドウの場合は、多い順
に表記)
・収穫年(同一収穫年度のブドウ85%以上使用)
②テーブル・ワイン
複数のブドウ品種をブレンドし、品種名を表記しない普及ワイン。
③ジェネリック・ワイン
国内用に造られたヨーロッパの特定の銘柄をイメージ使用したワイン(EU協定により、2010年以降禁止)。