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| 「ビーチ談話室」記念すべきリニューアル第一回目のゲストは、『ほめ道をゆく。』(ポプラ社・1260円)が好評発売中のフランソワーズさん。今や知らない人はいないであろう超人気サイト『ほぼ日刊イトイ新聞』で好評連載中のなかから厳選されたテーマ27編に加え、書き下ろし3編を新たに収録した、この夏話題の一冊です。今回は著者であるフランワーズさんに企画のなりたちから、知られざるプライベートな部分まであらいざらい……とはいわないまでも、かなりあけっぴろげにお話ししていただきました。金言・格言の宝庫、爆笑と感動間違いなしのインタビュー、どうぞお楽しみください!! |
| (聞き手・構成/編集部) |
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糸井重里さんとの出会いについて
――『ほめ道をゆく。』は、そもそもどのようなきっかけで始まったのですか?
フランソワーズ(以下、フ) 少し長い話になってしまうんですけど、いいですか(笑)。
――もちろんです!
フ 私、矢野顕子さんの大ファンなんですよ。20代の頃は、レコード会社(エピックソニー)で働いていたんですけど、ちょうどその頃矢野さんがエピックソニーへ移籍されるという話が出たんです。それで、どうしても矢野さんとお仕事をしたいなって思っていたら、本当にその願いが叶って、矢野さんの「アーティスト担当」をさせていただくことになったんです。
――へぇ、すごいですね。本当に夢が叶ったんだ。ああそうか、当時は矢野さんと糸井重里さんといえばゴールデン・コンビみたいな感じでお仕事をたくさんされていたから、フランソワーズさんと糸井さんも、そこで自然にお知り合いになった、と。そしてそれが『ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)』での連載へとつながったという訳ですね!
フ いいえ、違います。
――あら。
フ その当時は糸井さんとは面識はなかったんです。
――ああ、そうなんですか。では、どうやって『ほぼ日』で連載することに?
フ だから、話が長くなるって言ったじゃないですか(笑)。
――ああ、すみません。先をどうぞ。
フ そのあとレコード会社を辞めて、結婚してずっと専業主婦をしていたんです。というか、今も子育てが生活の中心なんですけどね。
――お子さんは何人いらっしゃるんですか?
フ 3人です。
――子だくさんなんですね。
フ 2人の子供を育てていて、あるときふと「3人姉弟のお母さんになりたい!」って思ったんですよね。
――それはまたどうして?
フ 3人姉弟の方が楽しそうじゃないですか。それに「3人産んで1人前」だと思ってたところもあって。それで3人目を産んだんですけど、その子が幼稚園に入るくらいのときに、「これからは自分が楽しむ番だわ。なにかおもしろいことがしたい!」と思ったんですね。そのことを親友に相談したら「じゃあ女優になる?」って言われて。
――また、ずいぶんと飛躍しましたねぇ…。
フ まあ、なれないことはないと思ったんですけど、いろいろ面倒くさそうじゃないですか、女優って。
――はぁ。
フ だから女優になるんじゃなくて、「女優の心で暮らす」ことにしたんです。
――それは、具体的にはどういうことをするんですか?
フ 外出するときに変装したり、日焼けに気をつけたり……。
――なるほど。まるで女優ですね。
フ ちょうどその頃、私の好きだった美術家の森村泰昌さんという方が、朝日新聞の関西版で「変身塾」というコーナーをもっていらっしゃったんです。「変身塾」というのは、読者をいろんなものに変身させて、ご自身の作品にしてしまおうという企画で、すぐに私も「女優の心で暮らしています。オードリー・ヘップバーンに変身希望!!」とハガキに書いて応募したんです。そうしたら、なんと採用されたんですよ!『「女優の心で暮らす」っていうのがいい』って。
――すごい! また夢が叶ってしまった。
フ そう。それで、そんなことを自分のHPに書いてたりしてたんですけど、たまたま「お気に入り」に入れていて全然見ていなかった『ほぼ日刊イトイ新聞』の文字が目に入ったんで、クリックしてみたんです。そうしたらトップページに書かれてある「Only
is not Lonly」という糸井さんの造った言葉が、妙に胸に突き刺さったんですよね。それで、自分が女優の気持ちで暮らしていることとか、日記を書いている自分のHPのアドレスを添付してサイト宛にメールしたんです。すると、なんと二時間後に糸井さんからメールをいただいたんです!「なにかをどうにかしたい気持ちです」って書いてあって。
――うーん、すごい。ようやく糸井さんとつながりましたね。
フ お待たせしました(笑)。
ほめているものには本当に興味がある
フ そこから糸井さんとメールのやりとりが始まって。糸井さんから「なにかを始めてみませんか? 企画・タイトルを詰めますので」というありがたい提案をいただいたんです。
――ということは『ほめ道をゆく。』は、糸井さんの発案なんですか?
フ そうです。糸井さんがずっとあたためられていた企画で。でも最初のタイトルは「ほめほめ7」だったんですけど。
――うーん。リアクションのとりづらいタイトルですねぇ(笑)。で、『ほめ道をゆく。』栄えある第一回目のテーマが「小林製薬」だったんですね。
フ 「小林製薬」「有森裕子」「ノーパンしゃぶしゃぶ」の3つのなかから、糸井さんと相談して「小林製薬」に決めました。
――残りのふたつも捨てがたい魅力が……。それにしても、フランソワーズさんの「望んだことを叶える力」はすごいですね。どうしてそういうことができるのでしょうか?
フ 私は、「縁」というものをとても強く感じるんです。いろんなことが、どこかでつながっている気がするんです。でも、そのつながりは自分で考えて行動しないぎりは、決して見えてこないと思うんです。
――見ているだけでは見えてこない、と。いやあ、なんか「悩み相談室」みたいになってきましたね(笑)。では、少し本題に戻して、フランソワーズさんにとって「ほめやすいもの」「ほめづらいもの」というのはありますか?
フ いままで私は「芸」としてほめてきたわけじゃないんですね。たとえば「毛玉」をほめた回がありますが、あれだってホントに「毛玉」のことをいつも考えているから書けたんですよ。だから、もともと「ほめづらいもの」を無理にほめるということはしないですね。ですから、ほめているものには本当に興味があるということです。
「ほめる」ことは認めること
――フランソワーズさんのほめる対象って、一見突飛に見えるんだけど、よく考えると読者が共通認識を持ちやすい「わかるわかる」的な要素をもったものなんですよね。
フ そうなんですよ。読者の方からいただいたメールのなかに「ほしいと思うものにやっと出会えました」というのがあったんですね。たぶん、私がほめる対象として選んでいるものって、それ自体はマイナーなものかもしれないですけど、そのマイナーなものが「見方」を変えるとメジャーなものになりうるっていう提示をしているのかもしれないですね。
――フランソワーズさんの「ものの見方」って確かに特別だと思います。小さい頃からそういう「見方」をしていたんですか?
フ 私にはなにが特別な見方とか、全然わからないんです。だって私は、みんな自分と同じようなものの見方をしているものだと思ってましたから。ただ子供の頃から、自分の書いた算数の答えが間違っていても、「答えはひとつじゃない」って思っていたし、たとえば「本」というのは、誰かが「本」と名付けたから「本」なのであって、もし「靴」だと名付けていたら、きっと「本」は「靴」と呼ばれていたわけですから。それくらい、この世の中にあるものは曖昧だと思うし、「答え」であっても「真実」ではないと思うんですよね。
――深い言葉だなぁ。なんか一気にインタビューが締まりましたね。では、最後に『ほめ道をゆく。』をほめていただけますでしょうか?
フ 最近人気のお笑い芸人の人たちを見ていると、みんな人をけなすことで笑いをとってますよね。「ほめる」ということを誰もしていない。「ほめる」ことは認めることなんです。どんなものにも「ほめる」ところはあるはず。『ほめ道をゆく。』は、いろんなものを「全肯定」している愛のある本だと思います。「愛のない笑い」は強くないんです。『ほめ道をゆく。』は強さとカワイさをかねそなえた“器のデカい本”だと思います。
――どうも、ありがとうございました。
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フランソワーズ(岡崎洋子)
1967年9月14日、広島県生まれ。独身時代レコード会社に勤務。憧れの矢野顕子さんと出会う。結婚後10年の専業主婦生活を経て、2003年10月からWebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」にて『ほめ道をゆく。』の連載をスタート。
現在広島のコミュニティーFM・FMななみにて『フランソワーズな午後』のパーソナリティーを務める。
HP『プチ・フランソワーズな毎日』で、まじめでくだらない小説も毎日連載中!! |
『ほめ道をゆく。』
著:フランソワーズ
定価:1260円(本体:1200円)
判型:B6変型
ページ数:176ページ
1日100万ヒットのメガサイト『ほぼ日』で2年にわたり66回も連載されている人気コラムの書籍化。暗い事件の多い世の中、とにかく「ほめる」ことから始めよう!というポジティブ・エッセイ。ほめるネタは、マツケン・叶恭子・YAZAWAから、餃子・イカ・ネグリジェまで実にさまざま。抱腹絶倒まちがいなし! |
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