◆1998年12月
 

女子高生・井上路望さん、現る。
ひとりの女子高生が、ミニスカートに厚底ブーツ、白メッシュという出で立ちでポプラ社へ原稿を持ち込んだ。その日、児童書編集部にいてたまたま応対した野村浩介(現第三編集部部長)は、いじめ、家族の問題、将来への夢など、リアルな実感で綴られた彼女の体験エッセイに打たれ、即社長に報告。出版が決定した。お母さんも文章を書きためていることがわかり、翌年の3月、業界初の母娘同時出版となった。

◆1999年3月
 

『十七歳』『母業失格』刊行、ベストセラーとなる。
一般書の売場にポプラ社の本が並んだのはこれが初めて。不安のあまり、担当編集者だった野村は、書店さんの前で女子高生に声をかけては本を買ってもらうという怪しい行動に出た。その甲斐あって(?)マスコミにも数多く取り上げられ、大反響を呼ぶ。

◆ 2000年3月
 

第三編集部、発足。 
………>当時のストーリー
プロローグ
第三編集部誕生
新人登場

 

『十七歳』に寄せられた膨大な読者の声に後押しされ、児童書専門出版社だったポプラ社に一般書部門が創設され、「年間100万部売れなければ解散」と厳命される。当時、編集部には「第一」も、「第二」もなかったが、なぜか部名は「第三編集部」に決定。メンバーは4人。児童書一筋30年の堀佶や、ズッコケ三人組に憧れて入社した新人の斉藤尚美も配属される。みな面食らうが、「あとはない」と覚悟。

◆ 2000年7月
 

本格的に一般書の刊行がスタート。
………>当時のストーリー
サイトウナオミ
続サイトウナオミ
堀さんのユウウツ

 

伝手もノウハウもないなか、それぞれが手探りで取り組んだ最初の4冊が配本となる。分野はノンフィクション、小説、ビジュアルエッセイ、詩集とバラバラ。初めから「やりたいことはなんでもやる」無謀なラインナップだった。『生きてます、15歳。」がいきなり40万部のベストセラーに。

◆ 2000年11月
 

目標の折り返し地点、50万部達成を喜び合う。
………>当時のストーリー
50万部突破!

◆ 2001年4月
 

『種まく子供たち』が「金八先生」で朗読され、ブレイク!
小児ガンにかかった7人とその家族の手記。ドラマ「金八先生」に登場するなどして話題になり、45万部のベストセラーに。

◆ 2001年7月
 

・100万部達成! めでたく第三編集部存続が決まる。
・ ソフトカバーの「図鑑モノ」の刊行が始まる。

悲願の100万部達成を果たし、メンバーは職をつなぎとめる。また、この月、親から子へ伝えていきたい昭和のこどもの生活、原風景を、詳細なイラストと共に紹介した、『昭和こども図鑑』を刊行、好評を博す。以降、『昭和こども食べ物図鑑』、『星空図鑑』、『宇宙図鑑』など、読みやすくハンディーな図鑑が刊行される。

◆ 2002年1月
 

編集部に、女子高生からプリクラ付きのお便り殺到する。
車椅子で町を爆走する、底抜けに明るい17歳、岩渕大起くんのエッセイ『まだ17歳だけど、人生って面白いと思う』を刊行。発売後、自分のプリクラを貼った女子中・高生からファンレターが殺到。また「教材として使いたい」という学校の先生からの問い合わせも相継いだ。11万部のベストセラーとなる。

◆ 2002年8月
 

『わたしはあなたのこんなところが好き。』がブレイク!
堀川波さんのシンプルで温かいイラストとメッセージが店頭でじわじわと人気を集め、秋頃から大ブレイク。その後『はじめは「好き」って気持ちから』『わたしがあなたに聞いてみたいこと』などシリーズ化され、トータルで40万部のベストセラーに。

◆ 2002年9月
 

映画『十七歳』公開。
映画館でパネルディスカッションなども行われ話題となる。映画は中国でも上映され、観客から喝采を浴びる。東京都知事推奨映画、青少年映画審議会推選映画などに選ばれる。

◆2003年2月
 

ヤングアダルト翻訳小説、『あの空をおぼえてる』がヒット。
発売前に仮綴本を作り、読者モニターの声を本づくりに生かした初めての本。15万部を超えるベストセラーとなり、以後、翻訳YA小説は第三編集部の大きな柱となる。また、この時の経験が、読者の声を最大限に生かして取り組んだ『Good Luck』へとつながっていく。

◆ 2003年4月
 

新人の採用試験が話題となる。
入社試験の集団ディスカッションで、鎌田怜子は終盤まで無口でまったく存在感がなかった。だが、最終面接の最後の5分間で突然、滔々と語りだし、インパクトを与える。その場で社長が採用を決定。鎌田は後に、さまざまな物議を醸す「カマダ道」を連載することに。

◆ 2003年8月
 

『きみの知らないところで世界は動く』がベストセラーに。
『世界の中心で、愛をさけぶ』(小学館刊)の著者、片山恭一さんの幻の処女作。片山ワールドの原点ともいえる青春長編で14万部突破のベストセラーとなる。後にドラマ化決定。

◆ 2003年9月
 

100万部宣言男、販売部より移籍。
入社以来約2年半、地方の営業を担当していた山科博司が、クビを覚悟で異動を申し出て、めでたく第三編集部に配属される。この時の決め台詞「編集に行ったら100万部売れる本を作ります!!」

◆2003年11月
 

・『31歳ガン漂流』がマスコミで話題に。
余命2年と告知された著者がウェブで綴っていた日記を単行本化。驚くほど客観的でクールな書き口ながら、「生きる」ことへの前向きさがビシビシ伝わってくる。テレビや新聞などで話題に。

 

・ 『宇宙でいちばんあかるい屋根』に中・高校生からお便り続々。
野中ともそさんの初の書き下ろしYA小説に、小学校高学年〜中・高生の読者から熱烈なファンレターが届く。子どもの本を作ってきたポプラ社の使命として、この年代の読者に向けた本は第三編集部の必須のジャンルであることを再認

◆ 2003年12月
 

・ 年齢不詳男、入部する。
学生時代に放送作家のバイトで儲けて味をしめ、テレビ番組の制作会社に就職するも、過酷すぎる労働環境とあまりの薄給に一年でリタイヤした吉川健二郎。出版社に転職して競馬雑誌やアイドルインタビューなどの仕事をしていたが、三十路を前に新天地を求めてポプラ社へ。若いくせに「昭和な話題」にめっぽう強く、風貌からも「いったい何歳?」と、他部署からも見学者が後を絶たず。

 

・ 『獄窓記』刊行。
秋、秘書給与詐取事件で実刑判決を受けた元衆議院議員の山本譲司さんから、獄中記が送られてきた。その分厚い束にただならぬ気配を感じて部内は騒然となる。潔い覚悟の文章、人生のリアルな葛藤が綴られた内容に、即出版が決定。以降、ハードなノンフィクションへの流れができる。

◆ 2004年2月
 

・さらに仲間が増える。
浅井四葉、矢内裕子。それぞれが別の某老舗版元からポプラ社へ。ふたりとも結婚、出産を経て、新天地を求めて第三編集部の人となる。時間をやり繰りしながら、ガンガン仕事をする姿が、第三編集部の面々に気合と感動を与える。

 

・ むかしのものでも、いいものはいいという企画。
美しい押花と名詩のコラボレーション本、花と言葉の詩画集1『中原中也』を刊行。以降、毎月『立原道造』『萩原朔太郎』『与謝野晶子』『宮沢賢治』と続き、全五巻のシリーズとなる。日本人が愛でてきた美しい言葉をあらためて味わってもらおうという試み。以降も「詩集」「歌集」など、少部数でも良いものを丁寧に出していこうと意識を新たにする。

◆2004年3月
 

親子で遊べる本もつくりたい!
みんなが知っている定番の歌や手あそびから、新しいものまで、充実の120種類を紹介した、『うたって楽しい手あそび指あそび120』を刊行。発売以来、季節を問わず、ポプラ社の売り上げランキングで常に上位に食いこむ隠れたベストセラーとなる。親子遊び関係のラインナップも徐々に充実。

◆2004年4月
 

「ポプラビーチ」が再スタート!
それまでと書き手もデザインも一新、月2回更新体制で始動。ここから『古本道場』(角田光代+岡崎武志著)、『恥ずかしい読書』(永江朗著)、『職業外伝』(秋山真志著)の単行本が生まれる。

◆ 2004年6月
 

『Good Luck』がミリオンセラーとなる。
一般書を出し始めて丸5年。スペインのアレックス・ロビラ氏の著書を翻訳出版することに。版権取得時からプロジェクトチームを結成、全社での取り組みとなる。書店、販売会社等、多数の業界関係者や一般の読者モニターの協力・助力に後押しされ、初回からの大量配本。発売日当日、書店店頭でのデモ販売も行われ、一気にベストセラーに。発刊後1年を待たず、150万部を突破する。

◆ 2004年9月
 

・ 『獄窓記』が第三回新潮ドキュメント賞を受賞。

◆ 2005年3月
 

・ 読者からのお便りに、濃密な人生のドラマを見た!
『Good Luck』の発売以来、編集部には毎日大量の読者カードが届く。その一通一通が読者の人生を感じさせる濃密な内容。これを編集部で独占するのはもったいないと、『「もうひとつのグッドラック物語」を募集します』と銘打ち、本にまつわるエピソードを公募、67編選び単行本化した。出版とは「読者と対話をすること」だと改め痛感。

◆ 2005年4月
 

・凄腕バイヤー、編集者となる。
麻場健一は某大型チェーンの書籍のバイヤー時代、第三編集部の『宇宙でいちばん明るい屋根』を売りまくった。秘めた情熱の人は、縁あってポプラ社の販売部に移籍。さらに、春雷の如き人事異動で、第三編集部へ配属となる。

 

・『獄窓記』ドラマが放送される。
主演は柳葉敏郎さん。TBS系「水曜プレミア」史上最高視聴率を記録。

◆ 2005年5月
 

『Good Luck』の原点、『Letters to Me』が刊行される。
『Good Luck』の著者、アレックス・ロビラさんの最新作。寓話形式だった前作と違い、悩みを抱える部下から上司への手紙というスタイルで、ロビラさんの人生哲学をより具体的に語った本。ビジネス書のジャンルで新たな読者層をつかむ。(現在ベストセラー更新中)

◆ 2005年8月
 

「ポプラビーチ」新たなるスタート!
さらなる読み物の充実と更新頻度のアップを目指してリニューアルオープン。第三編集部のサイトとも合体し、新しいサイトとして生まれ変わる。

 
(つづく)
   
※なお、この年譜には現在在籍中のメンバーが登場しているが、結婚退社した人、作家になった人、出版社の社長になった人、児童書編集部に異動した人等、さまざまなメンバーが在籍した。現在、それぞれの場所で活躍中。